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「肌をしっかり保湿することが大事」

この言葉は非常に良く言われることで、誰もが耳にしたことがあるのではないかと思います。

肌の乾燥はシワやたるみの大きな原因になるので、乾燥を防ぐことは正しいことなのですが・・間違った保湿をしてしまっている人もたくさんいらっしゃいます。

「保湿」っていったいどういうことなのか??
実はよく理解していない人が多いように思います。

 

保湿はスキンケア製品をたっぷり付けることではありません。
本当に正しい保湿方法を知って、お肌を健康的に美しくしましょう。

 

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目次

保湿のメカニズム
今、あなたに必要な保湿はどっち?
正しい保湿方法とは?
 —化粧水は必要か?
 —クリームは必要か?
 —過剰なスキンケアの弊害
まとめ

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保湿のメカニズム

保湿とは何か?を理解するためには、まず肌のしくみを理解しましょう。
自分自身の体のことですが、意外と知らない方も多いのではないでしょうか?

ちょっと専門的なお話もありますが、わかりやすく書いてあるのでぜひ読んでみてください。

人間の体ってすごいなぁ~と思わず関心してしまうかもしれませんよ^^

 

そももそ、肌は自らがうるおいを保つ力を持っています。
その要となるのが「皮脂」「天然保湿因子」「細胞間脂質」で、いずれも肌の表面(角質層)に備わっています。

角質層は、硬いケラチンタンパク質で出来てますが、肌がしなやかで柔らかいのは角質層に約30%ほどの水分が含まれているからなんです。

 

よく、化粧品を購入する際に肌の水分量を測ってもらったりしますよね。
「40%以下は乾燥肌ですね~」なんて言われたりしますが、実は、つるつるでピチピチの赤ちゃんのお肌でも肌表面の水分は約33%ほどしかありません。

「乾燥肌」と言われて高いお化粧品を勧められたりするケースもあるようなので、みなさん気を付けてくださいね。

 

重要なのは肌の表面ではなく、角質層に含まれる水分量がきちんと保たれているかどうか、です。

角質層に保持されている水分のうち2~3%を皮脂膜が、17~18%を天然保湿因子、残りの約80%は、セラミドという角質細胞間脂質によって守られています。

では、それぞれの役割を説明しましょう。

 

皮脂膜

皮脂膜は汗と皮脂(皮脂腺から分泌される脂)が混ざり合ったもので、天然のクリームとも言われます。
天然の油膜として肌の表面を覆うことで、水分の蒸発を防ぐとともに、摩擦抵抗を減らし、表面をなめらかにしています。

また、皮脂膜に含まれる脂肪酸によって弱酸性を保ち、細菌の繁殖を防いでいます。

皮脂の量と経皮水分蒸散量(TEWL)※は、逆相関関係にあるため、皮脂の量は多すぎても少なすぎてもいけません。
※体内から無自覚のうちに角層を通じて揮散する水分量のこと

 

わかりやすく言うと、こういうことです。

1:皮脂が増えると経皮水分蒸散量が減る=ベタつく。
 肌が脂っぽくベタつき、皮脂が刺激物質に変化し肌の炎症を招き、ニキビの要因にもなります。

2:皮脂が減ると経皮水分蒸散量が増える=乾燥する。
 肌にザラつきやカサつきが出てバリア機能も弱まります。

 

つまり、両方のバランスが大事!というわけです。

このように皮脂膜が重要な機能を果たすためには、適度な皮脂の分泌が必要です。

 

天然保湿因子

Natural Moisturizing Factorといい、NMFと略されます。
ケラチノサイト(角化細胞)が角化する過程でタンパク質から作り出され、アミノ酸、尿素、乳酸、塩基類などで構成されています。
水分を吸着する性質が強く、水分を角質層に供給し、柔軟性と弾力性を保つ役割を担っています。

 

細胞間脂質

細胞間脂質はケラチノサイトの角化の過程で作られる脂質です。
その成分はスフィンゴ脂質の仲間「セラミド類」が半分を占めています。

角質層の水分保持のほとんどを担っているのが、この細胞間脂質です。
ですから、いくら肌の表面に油分をたくさん塗っても「ムダ」ということが、これでわかりますよね。

 

角質細胞の構造は、よくレンガとセメントに例えられます。
角質細胞(レンガ)同士を角質細胞間脂質(セメント)でくっついている様子を想像するとわかりやすいです。

角質細胞間脂質は水となじみやすい親水基としての性質と、脂質となじみやすい親油基としての性質があります。
水分の層と脂質の層が交互に重なる形のため、脂質二重層状構造(ラメラ構造)となり、水を挟み込んで蓄えています。

水分層と脂質層が交互にあることで、強靭な防御壁になっています。
水分層は、温まりにくく冷めにくい性質があるので、温冷刺激に対して強く、さまざまな環境に適応できるようになっています。

 

これら3つの保湿因子減ってしまうと、角質層の水分も減少し、皮膚がひどく乾燥した皮脂欠乏症になってしまいます。

保湿因子が減る原因としては、①加齢によるターンオーバーの乱れ、②熱い湯に長くつかる、脱脂力の強いボディーソープで体を洗いすぎるなどの刺激、③外気や室内の乾燥などがあります。

空気中の湿度が50%以下になると角質層の水分が急激に蒸発しやすくなります。
肌のつっぱりを感じた時には、すでに肌の水分量が10%以下になっていることもあり、お肌は外部の環境に非常に影響されやすい状態です。

エアコンなど、空気を乾燥させる電化製品を使う際は加湿器などを上手に利用しましょう。

ちなみに、肌にとって快適な湿度は60%前後と言われています。
加湿のしすぎも、雑菌を増やしてしまったり、肌のターンオーバーの働きを減退させる原因となるので、適正な湿度を保つことが大切ですね。

 

 

今、必要な保湿はどっち?

今あなたに必要な保湿はどちらでしょうか?

保湿の目的として、2つあります。

ひとつめは、刺激によって一時的に弱まったバリア機能が回復するまでの対処法としての保湿。
つまり、対処的な保湿。

 

ふたつめは、慢性的に弱まっているお肌のバリア機能を改善させるための保湿。
つまり、根本的な改善です。

 

①対処的な保湿

健康なお肌でも、クレンジングや洗顔により、角質層の細胞間脂質やNMF(天然保湿成分)が洗い流され、一時的にお肌の水分保持力が弱まります。

細胞間脂質やNMF(天然保湿因子)が回復するまでの間の対処法として保湿することは必要です。
それが、基礎化粧品と呼ばれるお化粧水であったりクリームとなるわけです。

 

ですから、使用する基礎化粧品は細胞間脂質やNMF(天然保湿成分)を回復するのを邪魔しないものであることが大切。

まず、大前提として、クレンジングや洗顔でのバリア機能の低下を最小限に抑えることです。
使うお化粧品はもちろんのこと、使い方、洗い方が間違っていると、ダメージは大きくなってしまいます。

基礎化粧品を一切つけなくても肌がつっぱったり乾燥したりしない、という方は何もしなくても構いません。
むしろ、理想的な状態とも言えます。

余談ですが、お肌は主に睡眠中に、失った細胞間脂質やNMF(天然保湿成分)を回復させます。
お肌にかかわらず、質の良い睡眠は体の機能を回復させるものですから、やはり睡眠はとても大事ですね。

 

②根本的な保湿

間違ったスキンケア、悪影響のあるメイク用品やお化粧品などを長期間使用していると、お肌の細胞間脂質やNMF(天然保湿成分)の生成力が衰えている場合があります。

不足しているものを補って細胞間脂質やNMF(天然保湿成分)の生成力を回復させる必要があります。

補う方法は、
1)細胞間脂質の主要成分であるセラミドやNMF(天然保湿成分)の主要成分であるアミノ酸など、不足しているもの自体を補う。
こちらは、主に化粧品によって補います。

2)良質な油分や生芋こんにゃくなど、細胞間脂質やNMF(天然保湿成分)の生成力を高める効果のある成分を補う。
こちらは、食品を通して体内へ取り入れます。

 

通常、健康な肌であれば、①の対処的保湿で十分なのですが、最近は若い人でも「健康な肌」を失っている人が多いように思います。

なぜか?

それは、保湿の仕方が間違っているからなのです。

 

正しい保湿方法とは?

では、正しい保湿方法ってなんでしょう。
代表的な基礎化粧品であるお化粧水とクリームで説明していきたいと思います。

 

化粧水は必要か?

美容の難しいところは、さまざまな意見があるところ。

化粧水に関しても、真逆の主張をする人がいます。

①「化粧水はたっぷり付けたほうが良い」という化粧水たっぷり派。

②「化粧水は必要ない」という化粧水不要派。

 

さて、どちらが正しいと思いますか??

 

保湿のメカニズムを読むとわかるように、肌の水分は表面ではなく、角質層の細胞全体で水分を抱えています。
そして、肌は無限に水分を吸収することはできません。肌にはバリア機能があるからです。
たくさん水分を与えても、肌が抱え込むことができる水分には限りがあるので、つければつけるほど良い!というのも間違っています。

表面についた水分は必ず蒸発します。さらに、蒸発する際に、肌の水分も一緒に蒸発させてしまうので、かえって乾燥してしまうこともあります。
特に肌のバリア機能が弱まっているときは蒸発しやすいので、それはもうどんどん水分が逃げて行ってしまいます。

乾燥が気になるときに、顔に化粧水をスプレーする人もいますが、あれは本当にやめたほうが良いです。
吹き付けた水分とともに、肌の水分も一緒に蒸発してしまうので余計に肌が乾燥します。

皮膚理論から考えると②はとても理にかなっていると主張だと思います。

 

じゃあ、化粧水はいらないってこと??

と言われると、必ずしもそうとも言えません。

たしかに、健康な肌であればお化粧水は使わなくても良いです。
むしろ、お化粧水を使わなくても肌の状態が良いのであれば、そんな理想的なことはありません。

私自身、お化粧水を付けない日もけっこうあります。

 

ただ、いつでも、だれでも必要ない、というわけではないのです。

私が化粧水が必要だと感じるのは以下の理由です。

 

①現代女性は水分が少ない
現代女性の多くはメイクをしますよね。メイクを落とすためにクレンジングをして、人によってはダブル洗顔もします。
さらに、エアコンが効いた室内で生活することが多くなっています。
こういった場合は、肌表面の水分が極端に少なくなっていますので、洗顔後に化粧水にふくまれる保湿成分を補うことは有効だと思います。

②ターンオーバーを促進させる
①ともつながる話ですが、肌の水分が少ないと、肌が硬くなり、ターンオーバーが遅くなります。
また、年齢とともに肌の水分を蓄える力が衰えるとターンオーバーが遅くなります。
水分をたっぷり与えることで、肌を柔らかくし、ターンオーバーを促進させることが期待できます。

③透明感が出る
肌は水分量が増えると、透明感が出ます。
ですから、化粧水をたっぷりつけることは肌に透明感を引き出すことができます。

要は使い方が大事なのです。

正しいお化粧水の付け方はこちらをご覧ください。
★ 美肌をつくる、正しいお化粧水の付け方

 

また、これらの理由のほかに、お化粧水で肌を潤わせておくことで、次に塗るクリームを塗りやすくしたり、浸透しやすくする働きもあります。

 

クリームは必要か?

では、クリームはどうでしょうか。

その前に・・・
クリームと乳液の違い、どちらを使うべきか、について知りたい方はこちらをご覧ください。
★クリームと乳液の違いとは?自分に合うのはどちら?

 

クリームについては、必要説、不要説だけでなく、石油由来はダメで植物性のほうが良いなど、成分についての意見も分かれたりします。

肌のしくみから考えると、化粧水と同様、表面にたくさん塗っても無意味であると言えます。
それどころか、悪影響さえあります。

過剰な油分補給における問題点は以下の3つあります。

 

問題①  細胞間脂質のバランスが崩れる

オイルの中で対立的な存在となっているのが、鉱物油(石油由来のオイル)と植物オイル(キャリアオイル、ベジタブルオイル)です。
植物オイルの大きな特徴として、皮脂と同じ脂肪酸を含んでいるため、皮膚に浸透しやすいという特徴があります。

※浸透はしますが、経皮吸収ではありません。医学的な定義では「経皮吸収=血管まで浸透」とされていますが、血中には経口摂取したビタミンA・Eも流れているため、万一、血管を浸透できたとしても、どこから吸収されたものなのか特定でないため、経皮吸収するとは呼べないのです。

ところがその反面、過剰に付けすぎると浸透した植物オイルが細胞間脂質※の水分と油分のバランスを崩してしまい、肌のバリア機能が正常に働かなくなってしまうことがあります。

※細胞間脂質とは・・角質の細胞と細胞の間を繋いでいるもの。水分と油分がバランス良く重なっていることで(ラメラ構造)肌の水分が保持される。

 

問題点② 常在菌のエサにならない
植物オイルとは違い、鉱物油は浸透しません。オレイン酸、パルミトレイン酸などの必須脂肪酸が含まれていないので、浸透せず肌表面に残ります。
鉱物油は常在菌※のエサにはならないので、常在菌の活動を弱め、肌トラブルが起きやすくなります。

※常在菌とは・・体に存在する微生物のこと。肌に存在する皮膚常在菌には、表皮ブドウ球菌、アクネ菌、マラセチア菌、黄色ブドウ球菌などがあり、私たちの皮脂や汗をエサに生息しています。常在菌は安定して生息することで、カビや花粉といった外部からの刺激や病原性微生物の繁殖を抑える役割があります。

つまり、皮脂(常在菌のエサになる)がある上で、不足分を鉱物油で補うのは問題ありませんが、皮脂分泌が著しく低下した状態に鉱物油をたくさん塗ってしまうと、常在菌が快適に住めなくなってしまう可能性があります。

 

問題点③ 皮脂分泌を妨げる
通常、皮脂が不足した場合、肌は皮脂分泌を促します。
洗顔によって皮脂膜が洗い流されると、早ければ20分ほど、遅くても2~3時間程度で元の状態に戻ります。

しかし、肌表面に油分をたくさん加えると、肌は皮脂を分泌する必要がなくなります。
つまり、自ら皮脂を分泌するという肌本来の機能を妨げることになってしまいます。

 

クリームやオイルを塗ることは、対処法としては有効なのですので、使ってはいけない!というわけではありません。
むしろ、必要なときはしっかりと補給してあげる必要があります。

ただ、上から補うスキンケアは根本的な乾燥肌、敏感肌の改善にはならない、ということはきちんと理解しておかなければなりません。

まず、大事なのは、過剰に与えすぎないこと

肌の状態を見て、その時の肌状態に合う量を付けることが大切です。
皮脂量は一定ではなく、顔の部位、ホルモンバランス、気温、体温などによって大きな変化があります。

そして、鉱物油、植物油のメリット・デメリットを理解した上で、自分にとって最適なものを選択することです。

 

過剰なスキンケアの弊害

市販で売られているお化粧品には、品質保持するために様々な成分が加えられています。
日本において化粧品を販売するためには、未開封で3年以上品質が変わらないものでなければ販売はできません。(使用期限が明記されているものはこれには当てはまらない)

「防腐剤無添加」と書かれていても、防腐剤が入っていないわけではありません。
あくまでも、パラベンなどの指定成分が入っていないだけであって、品質を保持させるためのものは何かしら(もしかしたら必要上に大量に)入っています。

ですから、たくさんの化粧品を使用することは、それだけ防腐剤や化学物質などをお肌につける回数や量が増えることになります。
防腐剤は、菌の繁殖を抑えたり殺菌するものですから、過剰に使用すると皮膚常在菌が生息しにくい状態になることが考えられます。

さらに、乾燥したお肌はバリア機能が弱った状態なので、異物がお肌に入りこみやすくなっています。
ですから、場合によってはアレルギーや炎症、色素沈着(シミ)の原因にもなり得るのです。

 

必要以上にムダなものを付けていないか?

今一度、ご自身のスキンケアを振り返ってみてください。

 

まとめ

正しい保湿方法とは?
保湿成分を上から足すことではなく、お肌自体の保湿力を守り、高める、根本的に乾燥を改善すること。

 

そのためには・・?
①表面だけでなく、食品を通して体内から改善を図る。

②自分の肌状態に合ったものを、自分の肌にとって適切な量使う。

③常在菌が生息しやすく、皮脂分泌が妨げられないよう、過剰な油分の補給はしない。

 

大事なことは、今の自分の肌状態をきちんと見極め、今、自分の肌にとって必要なことをすることです。

肌状態はいつも同じではありません。
季節、環境、女性の場合は生理周期によるホルモンバランスの変化もありますので、日々変化があります。
よく自分のお肌を観察してみてください。

 

年齢とともに皮脂分泌が少なくなる、というのは事実ですが、自ら皮脂を出すチカラを低下させてしまっている人が本当にたくさんいるように思います。

実際、私もそうでした。
スキンケアは毎日しっかりやっているのに、一年中肌が乾燥していました。
化粧水、美容液を付けた後にクリームをたっぷり付けて保湿していましたが、数時間も経つとお肌はカサカサ・・。

これは、完全に肌が保湿力を失っている状態ですね。
ちなみに、まだ20代半ばの頃です。

 

あれから10年ほど経ちましたが、今は当時より乾燥しませんし、お肌に潤いがあります。
純石けんで洗ってもお肌はツッパリません。

 

あなたもぜひ、自分の肌力(はだぢから)を活かすスキンケアに変えてみてください。

具体的にどうすればいいのか?もっと知りたい方はこちらをご覧ください。

★細胞から変える美肌習慣の実践方法はこちら >

 

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